Temporomandibular Joint 顎関節症
◆顎関節症とは
歯科における三大疾患の一つで顎の関節周辺の異常が慢性的になっていることをいいます。
主な症状として
1.顎が痛い
2.顎が鳴る
3.口が痛い
などがあります。
◆日本人の二人に一人

「硬いものを食べたらあごが痛くなったがしばらくしたら治った」という程度の軽い症状を含めると日本人の二人に一人は何らかのあごの異常の経験があるのではないかとも言われます。
このように放っておいても自然に治るものもあり、必ず悪化していくという疾患ではありません。
患部を安静にする、問題のある生活習慣を改善する、薬を服用するなどの治療で80%の人はよくなっているそうです。
重症になると手術が必要となったり、症状もめまいや痛みなど全身に及び、開口障害により食事の摂取が困難になったり精神的にも影響を受けるなど、日常生活に支障をきたすほどの症状に苦しむ患者さんもいます。
◆20?30代がピーク、女性に多い
顎関節症の患者はここ十数年で15倍にも増加したとも言われます。
子供?高齢者まで幅広くみられる病気ですが、年齢では10代半ばから増え始め20?30代がピーク、女性は男性の2?3倍の来院数だそうです。
なぜ女性が多いのかはよくわかっていませんが、女性の方が筋肉の緊張やストレスに対して感受性が高く痛みに敏感で健康にたいする関心が高い、男性よりも骨格や靱帯が弱い、女性ホルモンに関係がある、などの説があります。
年齢的には、10代半ば頃から増加するのは歯や骨格が成長し大人になる時期であること、精神的にも思春期であり社会的な生活も複雑になるため、また30代以降は来院患者数が
減少するのは顎関節の変形はあってもそれに慣れてうまくつきあえるようになるため、などといわれます。
しかし、近年患者数が増加していることを考えると、最近の若年層に顕著な食習慣、生活習慣などにも関連があると考えられるのではないでしょうか。
◆代表的な症状
顎関節症の主な症状は5つあります。
これらの症状がひとつ、もしくはいくつか重なって現れます。
1.あごが痛む
顎関節および周辺の頬やこめかみの痛み。口の開け閉め、食べ物を咬むときなど、あごを動かした時に痛むのが特徴。
あごの動きに関係なく痛む場合は他の病気の可能性が高い。
2.口が大きく開けられない(開口障害)
正常な人は縦に指三本分入る(40?50mm)が、指が2本程度(30mm)もしくはそれ以下しか入らない。
あごを動かすと痛むので無意識に動きを抑えてしまっている場合と、顎関節の異常で口が大きく開けられない場合とがある。
いきなり口が開かなくなる場合も、徐々に開きづらくなっていく場合もある。
3.あごを動かすと音がする(関節雑音)
あごを動かしたときに耳の前あたりで「カクカク」音がする。
「ジャリジャリ」「ミシミシ」といった音の場合もある。
症状が音だけの場合は顎関節症予備軍と言えるが治療は必要ないと思われる。
4.咬み合わせに違和感がある
あごの関節や筋肉に問題があると、あごの動きに変化が生じて咬み合わせが変わることがある。
急に咬み合せが変わったように感じるときは顎関節症の疑いがある。
5.口を完全に閉じることができない
非常に稀だが、あごの関節内の構造の異常のため上下の歯列の間に隙間ができて、口が完全に閉じられなくなる場合がある。
◆その他の症状
代表的な症状以外にも、顎周辺だけでなく全身の様々な部位に症状が現れることもあります。
頭痛、首や肩・背中の痛み、腰痛、肩こりなどの全身におよぶ痛み
顎関節部やその周辺の痛み
耳の痛み、耳鳴り、耳が詰まった感じ、難聴、めまい
眼の疲れ、充血、流涙
歯の痛み、舌の痛み、味覚の異常、口の乾燥感
嚥下困難、呼吸困難、四肢のしびれ
◆症状が似ている病気
顎周辺に痛みがあっても必ずしも顎関節症とは限りません。
よく似た症状は別の病気にもみられます。
[ 顔に痛みを感じる病気 ]
発作性神経痛(舌咽神経痛、三叉神経痛)、歯や歯周組織・舌など口の中の病気、
耳・鼻・喉・唾液線の病気、慢性頭痛(片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛)、
症候性頭痛(脳腫瘍、脳内出血など)、シェーグレン症候群、慢性関節リウマチ、
全身性紅斑性狼瘡、線維筋痛症、通風、甲状腺機能亢進症、
心因性疼痛、神経因性疼痛 など
[ 口が開けづらい病気 ]
親知らずの炎症、顎関節の骨折・腫瘍・脱臼・感染症・炎症、
顎の筋肉の萎縮・外傷・炎症・拘縮、顎に関係する神経の腫瘍・炎症・ウィルス感染症 など
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